『さよならの朝に約束の花をかざろう』(岡田麿里/2018)
見てきました。
岡田麿里初監督作品ということでちょっと話題になってましたが最初は全然興味がなくて、なぜ見に行ったかと言えば
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— サンライト (@Sunlightshower) 2018年2月28日
それから10日。
地雷原に自分から足を踏み入れる快感みたいなのってあるよね。
で、見てきたわけですがぶっちゃけそんなに地雷でもなかったです。
作中で子供を作ることは完全に肯定的に描かれていているのでそういうのが地雷で耐えられないって人は見ないほうがいいと思うけど、でもまあ、現実では嫌だけどフィクションとして消費する分には受け入れられないこともないよって人は見て損はないくらい普通に面白い作品だったと思います。
この作品の中で出生はたしかに重大な要素ではあるんですけど、より根本的なテーマとして扱われているのは出会うことの意義で、最初からいつか死ぬことが決まった上で生まれてくる出生は、その最も象徴的な形ということでしょう。
マキアとエリアルの過ごす、大変でしかし幸せな日々が生き生きと描かれています。
ラストの「新たな別れに出会うために」という台詞が象徴的で、つらく悲しい別れが待っているとしても共に過ごせる時間はよいものであるはず、よいものにしたい、という未来への期待で気持ちよく〆られていたし、現実でどうかはともかく劇中のそれに説得力が宿るくらいには、この作品の出会いは美しいものだったんじゃないでしょうか。
まあ難点もふつうにあって、レイリア母娘の別れはあまりに雑じゃないの何ポエム口ずさんで誤魔化してんだよあの後敵国で肉便器にされるかも知れんやんけ連れて逃げたれよとか、そもそもこのポエムも何言ってるかよくわかんねえなとか、タイトルにある「約束の花」もイマイチ決まってた気がしねえなとか、レナトをはじめ滅びゆくファンタジー存在の悲しさみたいなテーマはちゃんと昇華されてなかったなあと。
まあそういうことを思いはするけど、総合的に十分面白かったのではと思いました。
ジェネリックジブリと言われるかも知れないけど映像はめちゃめちゃ美しいし、あとマキアが単純にかわいい。
- 作者: デイヴィッドベネター,David Benatar,小島和男,田村宜義
- 出版社/メーカー: すずさわ書店
- 発売日: 2017/11/01
- メディア: 単行本
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