サンライトノート

主に映画や小説、漫画等の感想を一定量吐き出したい欲を満たすためのブログです。本が出るとかなったら告知もするかもしれません。

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(トラヴィス・ナイト/2016)

評判がよかったので見てきました。

和風ファンタジー的な世界観で、月の帝に父を殺され左目を奪われた少年が母から受け継いだ魔法の力を操り、父の遺した魔法の武具を探し出して帝と戦うみたいなお話。

gaga.ne.jp


KUBO AND THE TWO STRINGS - Official Trailer [HD] - In Theaters August 2016

 

65点くらい?

面白くはなかったです。

理由としてはまあ「ボヤッとしてる」のが足を引っ張ってたかなあと。

ファンタジー設定なのはともかく、それぞれのファンタジー要素があやふやで納得感が薄いです。

主人公クボは折り紙を始め無生物を使役できる力を持っているんですが、この魔法もどこまでならできてどこまでならできないのかよくわかりませんでした。

基本的には三味線を奏でることで使えるみたいだけど、劇中では意識を失った状態で発動しピンチを切り抜けるという場面もあり、終盤ではご先祖様の霊だかそれとも皆の思い出の中の姿なのかわからないけどそれらも魔法の力で味方につけてもいて、いや~~都合がいいですねと。

「折れずの剣」「鎧」「兜」といった魔法の武具は、クボ自身の魔法に比べてほとんど役に立ちません。

いや使わなかったわけじゃないけど、性能はふつうの武器、防具です。折れずの剣は折れないけど、折れないだけでなんでも斬れるとかそんなわけじゃなし。ていうかクボよりも猿が振り回してた印象の方が強いし。月の帝との決戦でもこれらが不可欠という気は特にしませんでした。

これらの武具はもともとクボの父ハンゾウが用いていた設定らしいのですが、ハンゾウ自身もこれらを探して戦ったとかで、魔法の武具の出自そのものには触れられません。そこは何かもともと月の国にあったものだとかなんかそういうのじゃダメなのでしょうか。

広いのか狭いのかよくわからない世界観もそうですけど、「舞台はこういう世界です」「こういう仕組みで物語が成り立っているんです」という各要素をきちんと見せてくれず、劇中で有効に使えてもいなかった気がするんですよね。

また、劇中で各々の人生を「物語」と何度も強調する割にそのテーマへの解釈もだから何って感じで、無駄に強調してくんのウゼえなって。

あと、ラストは月の帝が全ての記憶を失うんですけど、クボも周囲の村人も自分たちに都合のいい嘘を吹き込んでいて、いやいやそんなことするくらいならぶっ殺して終わらせとけよ物語がどうとかぬかすなら人の物語を勝手に改竄していいのかと思うなど。

 

人形が3DCGアニメと遜色ないくらい動きまくってるのは凄いと思うし映像的な面白さはあるんだけど、そこ以外は特に……って感じの作品でしたね。